
08月06日
この財政が逼迫している折に、紛れもなく100%駄作だと分かりきっているのに、画像のトカゲ映画を買ってしまった。
なんてったって監督があのレイ・ケロッグ先生だ。50年代前半に20世紀フォックスの特殊効果部の部長を務め、「地獄と高潮」や「雨のランチプール」で見事な手腕を発揮して見せた大物だ。
でもケロッグ先生、なぜか仕事が雑なところがあって、たとえば「雨のランチプール」では、凄い洪水のスペクタクルにまったく緊張感なく平和に歩くインド人が合成されていたりして、不思議な画面が見られたりしたものだが、そういう意味では、この「大蜥蜴の怪」はケロッグ先生の真骨頂かもしれない。
なにしろこの種の映画では定番のモデルアニメを使わず、ミニチュアセットの中に本物の生きたトカゲを這わせる、という圧倒的に短時間で撮影が終わる手法で映画を作ってしまったのだ。
生きたトカゲだから生物感100%だ。その動き、皮膚の質感たるやリアルそのもの。
でもトカゲは芝居しない。
列車を襲っても街の集会所を襲っても、ただもっさり動くだけ。もちろん最後に倒される時も倒される演技なんかしてくれない。だから緊張感まるでなし。
きっと映画もヒットしなかったに違いない。
もしもこの映画が物凄く面白く仕上がって大ヒットしていたら、映画のオープニングに「特殊トカゲ効果」なるクレジットが明記されるようになって、翌年のアカデミー賞で「本年度の特殊トカゲ効果部門の受賞作は、○○です!」とか発表されるようになったのだろうか。
ちなみに、私が今までに観たことのある「トカゲ特撮」で、もっとも優れていたのは、SFテレビシリーズ「サンダーバード」の第15話「大ワニの襲撃」ではないかと思う。
メカ特撮の名人デレク・メディングスが、実はトカゲ特撮でも名人だった事を実証した一本だ。
作業は、下絵が50枚。わりかし順調かな。