「電脳」轟拳な日々 映画評

プロフィール

飯島祐輔

Author:飯島祐輔
スプートニクが星となって「地球防衛軍」が公開された年に生まれ、望月三起也氏に漫画を、高井研一郎氏に人生を学ぶ。
主な作品に『コミック 新旭日の艦隊』全22巻(原作・荒巻義雄)、『北海の堕天使』(原作・吉岡平)、「新海底軍艦」など。
大艦巨砲漫画家として名を馳せ、その徹底したメカへの傾倒と破壊描写、そしてとめどもなく溢れるストーリーとボケキャラ萌えの追求精神は他に類をみない。

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今までのあらすじは『艦隊な日々』をご覧ください。

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鉄人28号(実写版)

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07月28日
先に実写版「トランスフォーマー」を観てしまっていたので、非常に語りにくい。
まあ彼我の予算差は20倍以上はあるだろうから、まっとうに比較するのもあんまりなわけだが、それでもかの「ロボジョッグス」と比べてもショボい画面はなんとかならなかったものか。

前述の「白昼の残月」の時に、鉄人28号は多くの要素を取り込める優れたコンテンツ、と書いたが、むろん弱点もある。
それは、主人公金田正太郎君が少年であるという設定だ。
この設定は当時の漫画としては当然のことで、原作漫画はむろんのこと、数度のアニメ化に際しても欠点とはならなかったが、今回の実写版では大きな枷となってしまっている。
現代の街中、それも大事件の事件現場に、ネクタイに半ズボンという時代錯誤なファッションの少年がオープンのスポーツカーを駆って現れて「少年探偵の金田正太郎です」とやったら、それは違和感あり過ぎだろう。
道交法違反だ。いや、その前に学校へ行けよ、と誰もが突っ込むに違いない。
いきおい物語の方向性は、金田少年の成立を追う、という点に絞られる。
予算面、映像の表現力からいっても選択肢はそれしかなく、鉄人の活躍はどうしても二の次になってしまう。
少年の演技は上手かったけれど、観客が見たかったものじゃないよなあ。
せっかく蒼井優がでているのだから、蒼井優に正太郎君を演じてもらえばよかったのに。いや、蒼井優が巨大化してブラックオックスと戦う、というのでもいいぞ。その設定ならばブラックオックスが着ぐるみでも文句を言う奴はいるまい。「鉄人28号」ではなく「アルティメット☆ガール」の実写映画です、と言い張ってしまえばよいのだ。
それならば、蒼井優に恥ずかしいコスチュームを着てもらえる。

レッド・ドラゴン

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07月27日
毎晩暑いので、涼しげになれそうな映画を、ということで、我らが”悪食”ハンニバル・レクター博士の大活躍3作目「レッド・ドラゴン」を観た。
76年度版「キングコング」がトラウマとなってディノ・デ・ラウレンティスの作る映画を信用できない私だが、近年ラウレンティスの娘が製作に参画するようになってからは出来の良い作品が多く、わりと安心して観ていられるようになった。
ラウレンティスという人は、よくいえばロマンチスト、悪くいえばおっちょこちょいなのだろう。映画の企画に可能性を見出すと、それが自分が動員できる技術で映像化が可能かどうか検証しないままで作り始めてしまうきらいがある。
それが「紅海を割ってみせろ」と言われれば「はい、そうですか」といって割ってみせてしまうパラマウント特殊効果部を背後に持っていたセシル・B・デミルとの違いだ。
娘さんの方は、おそらくその辺が分かっている人なのだろう。作る物に、映像に破綻がない。

内容の方は、事件の犯人に中途半端に人間性を残したのが、この場合はマイナスだったのではないかと思う。
いまさらこのシリーズで「サイコ」をやられても、レクター博士の存在感にはかなわない。

電送人間

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07月23日
暑いので「電送人間」(1960、東宝)を観る。
「美女と液体人間」「ガス人間第1号」と並んで「東宝変身人間三部作」に数えられるなかの一本だ。
といっても、最初から三部作にする意図があったとは思えない。成り行きで三本作ったから後の世に三部作と呼ばれるようになったのだろう。
世紀の大発明を使える立場にありながら犯罪のアリバイ作りにしか使わない犯人は、謙虚なのかアホなのか。
もっとも、あらかじめ犯罪現場の近くに受信機を置いておかなくてはならないこのシステムはそれほど便利とも思えず、また装置の秘密が明らかになればアリバイは成立しなくなるのだからトリックとしても脆弱だ。
まあ、作り手の意向はSFスリラーというよりも変種のミステリを作ることにあったようで、だから主人公は捜査する側の人間(なんと鶴田浩二。科学に強い新聞記者という設定。全然そう見えない)だ。
怨念ただよう「美女と液体人間」、情感あふれる「ガス人間第1号」と比べると監督が違うせいかクール、かつドライな仕上がりになっているが、夏の夜の娯楽としてはちょうどいい。

シャーロットのおくりもの

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07月22日
ファンタジー映画週間か?
「シャーロットのおくりもの」(06年、パラマウント)を観た。
ダコタ・ファニングは相変わらず生意気な女の子を演じているが、この作品では主役はあくまで動物たちであって、人間は正面に出てこないのでさほど気にはならない。
それにしても、これと「トランスフォーマー」が同一テクノロジー基盤の上に成り立っていると思うとちょっと感心する。
表現の自由度が広がるというのはいいことだ。
この作品の場合、実際には相当な手間と予算が掛かっているはずだが、そう見せず、こじんまりとまとまっている点も評価したい。

おばはんファンタジー

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07月21日
「スターダスト」(07年、パラマウント)を観た。
この映画、「ロード・オブ・ザ・リング」ほどではないにせよ、ストーリーも映像もそこそこちゃんとしたファンタジー作品である。
でも、なんというか、微妙なミスキャストのせいで、いまひとつ入り込めない。
この作品のヒロインは、夜空に輝く星が地上に落っこちて人の姿になったものだ。ファンタジーのルールで考えれば、ゴージャスな美女か、可憐な美少女の役どころだろう。
これを、クレア・デインズが演じている。「ターミネーター3」で、ジョン・コナーの幼馴染の女性を演じていた人だ。
あの時点でもすでにおばさん顔だった。4年後の本作では、近所のおばさんにしか見えない。空から落ちてきたお星さまですって言い張るには、リアリティがありすぎる(ちなみに、「T3」での役はよく合っていた。演技力の問題ではないらしい)。
なんでもっとフォトジェニックな美少女に演じさせなかったのか。
もしかしてミシェル・ファイファーに遠慮した?

日本製ファンタジーアニメは、しょうもない作品も多いが、こういう部分でミスキャストが起こり難いという点では優れたシステムなのかもしれないな、と、ちょっと思った。

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